(シュロソウ科 ショウジョウバカマ属)
牟礼村 【5月上旬】 |
白馬村(貞麟寺) 【5月上旬】 |
山野のやや湿り気のある草地や田畑の畦に生える。多年草で冬を越した根生葉から10〜20cmの花茎を伸ばし先端に5〜6個の花をつけるが、花弁の色は淡赤色から濃赤色と変化がある。中には白いものもあるようだ。(「ショウジョウ」とは赤い顔をした酒が好きな妖怪のことであるが、花が赤いことから名づけられたとしたり、根もとの葉が雪の下で越冬するときに緋色に染まることから、とする説もある。)上の写真では牟礼村のものは、かなり赤かったという印象がある。 また、これまで目にしたものは、いずれも日本海側の多雪地帯の5月の頃で、太平洋側の山野ではまだ見たことがない。開花時期はおそらく太平洋側の方が早いであろうが、ほかに乾燥等の条件で太平洋側には少ないのであろうか。 いずれにせよ、5月初旬の、まだ落葉樹の葉が展開する前の明るい草地や林床部で、カタクリ、イカリソウ、エンゴサク、ニリンソウ等とともに、まだ少し冷たいがさわやかな風にふかれて咲いている様は、少しこっけいで、何か懐かしく、そして春を迎えてほっとさせる風景である。 |