(キンポウゲ科 イチリンソウ属)

       白馬村姫川源流      【5月上旬】

 この年は大変暖かく、例年ここの湿原は、一面フクジュソウキクザキイチゲなどが咲いているはずなのに、すでにフクジュソウは終わり、あたりはすっかりニリンソウで被われていた。                   

櫛形山   【5月下旬】
 5月になって、まだアルプスなどの高い山々には残雪が残っている頃、低地ではニリンソウが咲き始め、さわやかな風とともに春が来たことを実感させてくれる。日本海側の地方が持っている、この独特の風情がたまらなく好きで、毎年この頃には北信州方面を旅行してしまう。戸隠村のあたりでは、ニリンソウをおひたしにして食用にするようで、ドライブインの農産物販売所で売られていた。キンポウゲ科の仲間には毒のあるものが多いが、これは例外なのだろうか。櫛形山のものは、花弁の外側がやや赤みを帯びていて、姫川源流のものより花茎がやや長くスマートな感じである。この年は、例年より寒く、植物の開花が1〜2週間程度遅れていたので、例年ならば5月上旬〜中旬頃咲くと見た方が良いであろう。