(ユリ科 カタクリ属)


御池岳     【5月上旬】

白馬村(貞麟寺)  【5月上旬】

戸狩村      【5月上旬】
 毎年5月の連休の頃は、長野県の日本海側の山野を歩くのが恒例のようになっているのだが、なんと言っても、その最大のお目当ては、このカタクリである。春の遅い雪国の落葉樹林では、5月初旬の葉がまだ展開しきらない間は、林床部まで太陽光が十分に差し込む。その時を狙って、他の草本より一足早く開花し、花粉を受粉させるという戦略をとっているのだが、山の斜面一面に群生して開花している様子は、なんともいえない優しさと清々しさを感じる。静岡県のような太平洋側の地方にも生育しているが、その大半は3月下旬から4月初旬の頃開花期を迎え、花の色は、この写真のものよりも薄い。水窪町の「カタクリの里」や金谷町のカタクリ園などでは、いずれも、盗掘を防止するための柵などを設置して厳重に保護されており、何となく人工的な感じで趣が今ひとつである。
(白馬村と戸狩村の写真はクリックすると拡大表示されます。)