八高山(掛川市北部)            【10月上旬】
 
  静岡県西部地域から愛知県東部にかけて分布し、漢字では「遠州白熊」と書く。静岡県西部地方に特に多いことに由来する。八高山では9月下旬〜10月上旬に山頂付近で咲き始める。八高山の他、春野町の「高校生山の村」でもほぼ同時期に見られる。八高山では中腹の林床部にキッコウハグマがやや遅れて開花する。
 静岡県西部の森町にある小国神社の敷地内には、このほかに「テイショウソウ」と呼ばれるよく似たハグマが咲く。「エンシュウハグマ」、「キッコウハグマ」「テイショウソウ」といずれも花はとてもよく似ていて区別できないが、葉の形がはっきりと違うので、ポイントを把握していれば判別に迷うようなことはない。
 平成18年に静岡県立二俣高校の生物部が本種の染色体の核型分析を行い、染色体数がほぼ24本であることを報告した(下図参照)。図鑑などの資料には本種の染色体数は示されていないので、これが最初の報告かもしれない。