八高山(掛川市・金谷町)      【10月下旬】
 
 一つの頭花は3つの小花からなっている。紫色がかっていて先が2つに分かれているものが、それぞれの小花の雌しべである。
 静岡県西部地域で見ることができるハグマの仲間の中では一番小形である。八高山では9月下旬〜10月上旬に山頂付近の明るい草地でエンシュウハグマが咲き始めるが、このキッコウハグマは花芽はつけているものの、まだ開花には至っていない。そして、やや遅れて10月下旬頃に、山頂よりやや下の樹林帯の中や登山道沿いで咲き始める。またエンシュウハグマが明るい場所でよく見られるのに対し、キッコウハグマの方は樹木の陰になるような薄暗い場所で生育する。うまく住み分けているようにも思える。葉の形が五角形で「キッコウ」は漢字で亀甲と書く。