ミツガシワ | |
(ミツガシワ科 ミツガシワ属) | |
白馬村(親見湿原) 【5月上旬】 |
(同左:花の部分を拡大) |
沼地などの湿地帯に生える。寒冷地の植物であるが、暖温帯に属する磐田市の桶ケ谷沼でも、かろうじて生き残っていると聞いたことがある(実際に見たことはない)。これは氷河時代のなごりであり、それが事実ならば現在の磐田市周辺の照葉樹林帯は、氷河時代においては夏緑樹林帯であったことを伺わせるものであり、興味深い。 花の全体的な形態は、亜高山帯の湿地で見られるイワイチョウに似ているが、右の写真のようにミツガシワは花弁に白い糸のような長毛を持つ。この白馬村では数年前に親見湿原の近くにある居谷里湿原でミツガシワを撮影したことがあった。しかしそれ以来、同じ時期に同じ場所でも見ることができなかった。その年と同じく今年(平成21年)は温暖化の影響か、例年になく暖かい年であった。つまり通常であれば、5月上旬ではまだ開花していないのだ。春遅い雪国の5月の早春の湿原に咲く植物の代表格といえば、リュウキンカやミズバショウであるが、これらよりはやや遅れて開花する。 |