南木曾岳         【5月上旬】


(同 左)
 5月のさわやかな風に吹かれながら、針葉樹林帯の林床部でひっそりと可憐な花を咲かせ、群生している。葉の小葉が5枚あることや花の蜜層の形状(黄色のもの)、葯の色などにオウレン属の特徴が見られる。高山帯にはよく似たミツバオウレンが、また亜高山帯の臨床部にはセリバオウレンが見られる。この年はこのバイカオウレンを南木曾岳のほか、木曽駒ケ岳の前衛峰にあたる池山(標高1700m)の林床部でもよく見かけた。当たり年とでも言うのだろうか。気象条件には毎年わずかずつ違いがあり、野草はそれに敏感に反応して花を咲かせる。だから年によっては同じ場所で同じ時期であっても全く開花が見られない時もある。