(ゴマノハグサ科  ミゾホオズキ属)
 

雲の平    【7月下旬】
 雲ノ平の東側にある岩苔乗越から高天原に向かって沢道を下っていく途中で見つけた。日本海側で、かなりの降雪のある湿った地域を好むようで、太平洋側の山地には分布していない。それほど頻繁(ひんぱん)に見るわけではなく、槍ヶ岳や笠ヶ岳を登山したときは全く見なかった。しかし火打山に登ったときは、亜高山帯の針葉樹の林床部や草地に広く分布していて、あちこちで見かけたことが印象深い。これなども降雪量との関係だろうか。
 ミゾホオズキのめしべは、花期の終わり頃には縮んで、それまでに他花の花粉を受粉しなかった場合は、そこで自花のおしべと接触して自家受粉することが知られている。