キタヨツバシオガマ
(ハマウツボ科 シオガマギク属)

八甲田山          【7月下旬】

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白と赤とのコントラストは、あまりはっきりしない。

やや湿った草地のへりの部分に密生していた。
 北海道から東北地方の亜高山〜高山の草地に生える。中部地方の高山草原で見られるヨツバシオガマの亜種。本種はヨツバシオガマよりも草丈が高く、花序の段数も7〜12段と多い。また花の鳥の頭のように見える花筒の部分について、本種では赤い部分と白い部分のコントラストはそれほど強くないが、ヨツバシオガマのそれはかなり強く色の違いがはっきりしている。またヨツバシオガマの方が本種よりも、より乾燥した場所に生えている。右下に生育環境の一例を示したが、この草地は湿っていて、近くには湿生のイワイチョウの群落もあったのである。中部地方ではこのような場所にヨツバシオガマが生えたいたという記憶はない。なお、月山や飯豊山では、両系統のヨツバシオガマが観察できるそうである。