(イワウメ科 イワカガミ属)

八紘嶺           【4月下旬】
 安倍峠の八紘嶺登山口(標高1400m程度)から登り始めてすぐに、登山道脇の枯草や落枝の間から顔をのぞかせていた。この株の他に2〜3株見つけた。完全に開花するにはあと1〜2週間ほどであろうか、白い花の蕾が可憐である。よく似たイワカガミ(コイワカガミを含む)が亜高山帯から高山帯にかけて分布し、しかも北海道から九州まで、最もありふれた植物で、いたるところで観察できるのに対して、このヒメイワカガミは山地帯から高山帯に至るまで広い生育帯を持つが、分布は太平洋側の山地に限られるようである。(すなわち、高山帯での分布は南アルプスに限られる。)