◇     二重山稜    ◇


(北アルプス双六小屋から写す。)
  上の写真は、北アルプス西鎌尾根にある樅沢(もみさわ)岳(2755m)から北に向かって 2519.2mのピークまで伸びる稜線に沿って形成されたニ重山稜の写真である。北アルプス双六小屋から、東を眺めたときに見られる。二重山稜の形成要因 には様々なものがあるが、この場合は手前側の山体が、沢側に落ち込んだため、稜線部に窪地ができたのであろう。このような二重山稜の間の窪みは線状凹地 (船窪)と呼ばれ、長く雪田が残る場所となっている。写真の後ろの山々は、烏帽子(えぼし)岳、燕(つばくろ)岳などの、北アルプス表銀座の山々である。 山頂部が白く見えているのは、これらの山塊が花崗岩でできており、山頂部は花崗岩が風化侵蝕作用を受けて生じた白い砂礫で覆われているためである。

爺ケ岳(北アルプス)から西側の剣・立山方面をのぞむ
ま た、これは爺ケ岳に見られる二重山稜。矢印に示すように、主稜線に沿ってその少し下側を、もう一つの稜線がつながっているのがはっきりわかる。